お盆の供花の歴史的背景と地域ごとの特色

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2019.10.01

豆知識

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お盆の供花の歴史的背景と地域ごとの特色

お盆の供花は、日本の仏教行事における重要な要素であり、先祖供養のために用いられます。その歴史的背景と地域ごとの特色について説明します。

お盆の供花の歴史的背景

仏教の伝来と供花の起源:

  • お盆の起源は、インドの仏教行事「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に由来します。これは釈迦の弟子である目連尊者が亡き母を救うために供養を行ったことに始まります。この行事が中国を経て日本に伝わり、日本固有の風習と融合してお盆となりました 。
  • 日本に仏教が伝わった奈良時代(710-794年)には、仏教行事としての盂蘭盆会が行われるようになり、供花の習慣もこの時期に定着しました。

平安時代から江戸時代:

  • 平安時代(794-1185年)には、貴族たちが仏壇に花を供え、先祖供養を行う風習が見られます。これが次第に武士や庶民にも広まりました。
  • 江戸時代(1603-1868年)には、町民文化が栄え、盆踊りと共に供花の風習も広がり、庶民の間でも一般的になりました。

地域ごとの特色

京都府: 五山送り火

  • 特色: 京都では「五山送り火」が有名です。8月16日に行われるこの行事は、先祖の霊をあの世に送り出すための大規模な儀式であり、五つの山に大文字や舟形などの火文字が点灯されます。
  • 供花: 白菊やリンドウなどがよく使われ、清浄な花で霊を慰めます。

長崎県: 精霊流し

  • 特色: 8月15日に行われる精霊流しは、先祖の霊を乗せた精霊船を川や海に流す行事です。爆竹の音が霊を驚かせて悪霊から守るとされています。
  • 供花: 菊やカーネーションが一般的に供えられます。

沖縄県: エイサー

  • 特色: 沖縄のお盆は旧盆に行われることが多く、若者たちが太鼓を打ち鳴らしながら踊る「エイサー」が有名です。地域ごとに異なる踊りが存在し、賑やかに霊を慰めます。
  • 供花: 沖縄では、トロピカルな花が多く供えられ、ハイビスカスやブーゲンビリアなどが使われることがあります。

新潟県: 灯篭流し

  • 特色: 新潟県の阿賀野川や信濃川で行われる灯篭流しは、8月15日に先祖の霊を送り出すために行われます。灯篭に火を灯して川に流す光景は幻想的です。
  • 供花: 菊やユリが一般的に供えられます。

秋田県: 竿燈まつり

  • 特色: 秋田市で毎年8月3日から6日にかけて行われる竿燈まつりは、お盆の時期に合わせて開催されます。竹竿に多くの提灯を吊るした竿燈をバランスを取りながら持ち上げる技術が見どころです。
  • 供花: 菊やリンドウなど、地元の花がよく使われます。

まとめ

お盆の供花は、日本の仏教行事としての歴史的背景を持ち、各地域で独自の風習と共に供えられています。京都の五山送り火、長崎の精霊流し、沖縄のエイサー、新潟の灯篭流し、秋田の竿燈まつりなど、地域ごとの特色ある行事と共に、供花の意味や使用する花も異なります。これらの供花を通じて、故人への敬意と感謝を表すことができます。

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